第二章「心に棲む幽霊」

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俺がオカルト研究会に入って2日。 最近では先輩から渡された御払いの本を読む事が多くなっている。 けど、それ以外はそこらの部活とはなんら変わらない普通の部活だ。 俺がする事言えば、部室の掃除とサブのお世話、他には先輩と御茶しながら笑って会話しているだけだ。 時たま、一般生徒が相談に着たりするが、全て先輩が受け答えをして終わり。 一応先輩は人望のある人のようだ。 「サブ、そこどけよ。掃除が出来ないだろ」 「うるさいわぃ、高貴なるワシは優雅に日向ごっこ中だ。邪魔するでないわ」 「…このデブ猫…そんなんだからブクブク太って行くんだよ!外出て運動して来い!」 俺はデブ猫、もといサブの首根っこを掴んで窓の外に放り投げた。 大丈夫、一階だから。それに猫は背中から落ちたりしないしな。 「ぎゃふ!」 「前言撤回、猫でも背中から落ちるようだ…」 猿も木から落ちる。猫も背中から落ちるとは良く言ったものだ。 いや、後者はなかったな…。 さて、掃除の続きをしようかな。 「君は意外と熱心なのだな」 「えぇ、まぁ、いつも家の掃除をさせられていますからね」 「なるほど、君はいい夫になるな」 「やめてくださいよ」 軽く談笑を挟みながらも、俺は掃除を続ける。 先輩はなにやら難しそうな本でも読んでいるのだろうか? カバーが付けられていてタイトルは分からないが、さっきから時折、渋い顔をしている辺り、やはり難しい本でも読んでいるのだろうか。
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