第40章…はじめまして

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[…………] 目を覚ますと、見慣れない景色だった。 [ぇ、………] ゆっくりと、重たい身体を起こすと布団に寝かせられていた事に気づいた。 [ここ……どこ?]    ーーあれ、私……どうしてここにいるの?……あれ、……… [あれ…?っ、] ーー何?……分からないっ、……。私、何で…ぇ、……何なの……? その時ーー 部屋の外から声が近づいてきた。 「で、あの子どこから誘拐してきたんですか」 「誘拐じゃねぇよ」 「連れてきたんだったらそれはもう誘拐です。」 「ったく、だから違ぇって言ってんだろうが」 「五月蝿いです!まだ眠ってるかもしれないんですよ?静かにして下さいよ」 「おい、てめぇ……」 バンッ!と、勢いよく襖が開かれた。 [!!っ、…] ビクッ、と体を震わせながら視線を向ける そこには詩音と年が近そうな少年と、背の高い黒髪の少しつり目の男がいた。 「あ、もう少し丁寧に」 「うるせぇよ」 [………ぁ、…っ、あ、あの………] ギュッと布団を握りしめながら声をかけてみる。 「ん?……ぁ、目が覚めたんですね?!良かった!」 すると、年が少し上そうな少年が詩音のいる布団の横に座りながら話しかけてくる。 「心配しましたよ、三日も眠ったままなんですから」 [み、三日……ですか?] 「はい、それはもう弱りきっていてお医者様が後少し遅かったら死んでいただろうって言ってましたから」 [ぁ………そう、でしたか] 「でも良かったです!顔色もまだ少し青いですけど良くなりました」 「お前。…何であんな場所に倒れてたんだ」 突然、黒髪の背の高い男が話しかけてきた。
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