第40章…はじめまして

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総「ほら詩音、直々にお呼びだしですよ」 [総司の名前でしたよ。私、ちゃんと聞いてましたから] 総「えー、詩音の名前でしたよ」 [総司でしたよ!総司っ!!て怒ってましたよ] 総「多分聞き間違いですよ」 [私耳は良いんですよ?] 総「おかしくなったんですよ、きっと」 [あ!酷いっ、もう総司が行ってくださいよね?早く怒られてください] 総「何ですかそれ!冷たいですね詩音。僕ほど良い人はいないと思いますよ?人を見る目がないですねー」 [自分で言わないで下さいよ] また二人で言い合いを始めそうになっているとーー 「おーい、総司に詩音。団子を買ってきたんだが食べないか?上手いと評判の所だぞ」 とよく聞き慣れた穏やかな声が聞こえてきた。 ピタリ、と瞬時に言い合いを止め声の聞こえた方へ小走りになる。 [ちょっと総司!女の子を先にするんですよ!] 総「男が優先ですよ」 [可愛い女の子が甘い物は優先です!] 総「どこですか?その子。近くに見えないので僕が先です!」 [酷いっ!優しさってものが欠けてます] 総「柔軟性が詩音は欠けてますよ」 お互いにらみ合いながら足は声の聞こえた方へ歩いていく。 相手が自分よりも先へ行かないように腕や襟首を掴みながら歩いている様子は幼い男の子が喧嘩をしている様に見える。 つまりは、2人とも大人気ない。
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