第41章…現状、現実。

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他人の物を見るなど悪いと思ったが、気になって仕方がなかった。 これは詩音が書いていた日記。 きっと本人以外、誰も知らない筈だ。 斎「すまない、、」 パラパラ…… 「何故か、あれからあの人とよく出掛ける様になった。どうしてかは分からないけど、楽しい。甘味が好きだなんて、少し意外な一面も知れた」 「山崎さんに怪しまれた。 つい勢いで恋仲と言ってしまった。皆には嘘をついてしまって気が重い」 「沖田さんに反対された。元々、皆には恋仲と偽っているから丁度良い機会かもしれない。嘘をつくのは結構しんどい」 「まさか、本当に試合になるとは思わなかった。打ち合わせ通り、あの人がしてくれたら終わる。」 「今日、試合があった。正直見入ってしまった。打ち合わせ通りの結果にはならなかった。でも、何故か良かったと安堵している自分がある。」 「前々から思っていたけど、私は変なのかもしれない。最近変な夢を見る。」 「懐かしいと思う自分がいる」 パラパラ……パラパラ 「頭が痛い。夢を見る。」 「とっても現実的で、優しくて、悲しい」 「夜が怖い。眠りたくない。朝が良い」 パラパラ 「顔色が悪いと皆に心配された。沖田さんなんて過保護すぎる。」 「原田さんにお菓子を恵まれた。皆には内緒らしい。嬉しかった」 パラパラ 「毎日夢を見る。」 パラパラ 「もう、嫌だ」 「だれか  助けて  」 「一人は     嫌だ    」 斎「………」 パタンと、日記帳を閉じる。 内心……モヤモヤしている………。 ーーこんなに、苦しんでいたのか……。 夜が嫌だったのか……。
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