第41章…現状、現実。

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桂「駄目だよ。それは許さない」 吉「桂さん」 桂「新城は幕府側だ。倒幕派との亀裂を深めるわけにはいかないっ」 吉「桂さん。あなた、自分が何を言っているのか分かって言ってるんですか?」 一気に吉田の声色が低くなる。先程の様子とはまるで違い、鋭い目つきで桂を見ていた。 桂「稔麿。今ここで幕府との関係を悪化させれば戦がおきてしまう可能性があるんだ!」 吉「今は幕府も倒幕も関係ない。そんな大規模なものでもない!」 桂「君だって分かってるだろう?!新城は幕府と深い繋がりがある。倖城が、倒幕派と関わりがあるように!」 吉「実際はその二家とも政治にはあまり関わってないでしょう。特に倖城は関わりを持つ事を嫌がっていた筈です」 桂「ああそうだ。那緒司は争い事が大嫌いだ。口出ししようと思えば出来るものをしなかった。だから、倖城と新城の関係も現当主が実の双子という点でもあってギリギリの関係を保っていた。」 吉「………勝手に!新城家が、詩音や明音達を壊したんじゃないですか!!那緒司さんも、沙夜さんも!倖城は何もしてないっ……!」 桂「…………」 吉「政治なんて今は何の関係もない。あるのは倖城と新城だけ。本当なら僕らだって関係ない。」
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