第41章…現状、現実。

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桂「………新城礼司は冷酷だ。何をするか分からない。」 吉「だったら、尚更早く詩音をーー」 桂「でも詩音は姪にあたる子だ。危害は加えないはず……!少なくとも殺しはしない」 吉「………それで、沙夜さんは。あなたの妹はどうなりましたか……」 桂「!!!!……っ、、、」 吉田の一言に体をビクつかせながらも、決して意見を曲げない桂。膝の上で強く握りしめる手はブルブルと微かに震えていた。 吉「一度はいなくなった詩音がまた帰ってきた。……またいなくなるなんて……僕はっ、、、……絶対に嫌だっ……!!」 桂「……………」 吉「いくら血の繋がりがあったとしても、家族だとしても、仲が悪い事もある。殺しを平気でする可能性だってある。」 吉「僕はただ………。詩音を失いたくないだけ、なんですよっ、、……。 ただ、ただ…!! もう二度と……、十年前の様な、あんな想いをするのはごめんなんだっ……!」 桂「!!……」 長い付き合いだが初めて吉田の想いを聞いた桂は驚いていた。 こんなにも、吉田が詩音を想っていたのだと ある程度、幼なじみのような存在だ。気に入ってもいるし、好意も持っているのだろうとは思っていた。 しかし、こんなにも詩音に対する想いが強いとは考えてもいなかった。
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