第41章…現状、現実。

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[………ん、……っ、痛っ………] 目を覚ますと見慣れない天井が見えた。 寝かされていたのが嫌でも分かる。 ご丁寧に広い部屋の真ん中に布団が敷かれそこにいる 身体を起こそうとしても、身体が重く中々起き上がれなかった。 [……っ、ここどこ………、、] 痛みのある頭を抑えながら辺りを見渡す が、見慣れない部屋だった。 […………確か、担がれて……気を失って………っ!!?] ーーまさか、ここって……… [あの静って忍が言ってた新城家……?] 「当たっているけど、残念ね…外れよ」 声の聞こえた方へ視線を向けると、襖を開けて一人の女性が入ってきた。 見るからに高そうな着物を着ていたので屋敷に仕える人ではないと詩音は判断していた。 [………、] 「嫌だ、警戒しなくても取って食いやしないわ」 苦笑いしながら言う女性だが、詩音はどうも隙がない彼女に警戒していた。 重く中々起き上がれない身体をどうする事も出来ないが、気を許せなかった。 […………] 「私の事、覚えてる?」 [ぇ??] 「まぁ、そうよね。覚えてる方が不自然だわ。……あなたとは一度だけ会った事あるわ。あなたが本当に小さい時にね」 [……………] 「私は明日香。…新城明日香よ」 [新城……明日香………新城?!!] 明日「新城礼司様の妻です。こんにちは、お久しぶりね倖城詩音さん。まさかまたあなたに会うなんて思わなかった」 [………] 新城明日香の言い方は棘があった。 ピリピリとして、目つきは鋭かった。
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