第41章…現状、現実。

14/29
前へ
/1378ページ
次へ
明日「……私は倖城が嫌い。でも別に私は貴方が嫌いなわけではないわ」 [それって一体、「好きでもないけど」……] 明日「だから、一言助言をしてあげる。……大人しくする事ね。無事でいたいなら逆らわない方が良いわ。倖城沙夜と同じ目にあいたくなければ、ね…」 [……………] 明日「それからーー」 と明日香が口を開いた瞬間、パタンと襖が開かれ一人の男が入ってきた。 その姿を見た瞬間に明日香は気まずい様な顔を一緒したが、すぐに無表情になった。 「なぜ、ここにいるんだ。明日香」 明日「も、申し訳ございません………礼司様」 [!!?………ぁ、……………] 現れたのは 新城 礼司 だった。 礼司「…………」 新城礼司は落ち着いた茶の着流しに肩から黒い羽織をかけていた。 顔は非常に整っていて少しつり目なため、どこか冷たい雰囲気だ。 礼司が近づいていくにしたがい、明日香が遠ざかっていく。 すれ違う時に明日香は深く礼司に一礼すると部屋から出て行った。 […………………] 礼司「詩音。」 [!!?………] 礼司「……覚えているか?私を」 [ぁ、……あの、……その………、] 礼司「別に良い。覚えていないのも当たり前だ。私とお前が最後に会ったのも何年も昔の事だ。お前と明音はまだ幼く、言葉もあまり話せなかった。」 […………] 礼司「懐かしい事だ。……面影があるな。」 礼司は先程までの無表情ではなく、少し口元を上げ優しく微笑んでいた。 [ぁ、あの……っ、] 礼司「手荒な真似をしたな。悪かった。だが、こうするのが一番確実で手っ取り早いんだ。」
/1378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1940人が本棚に入れています
本棚に追加