第41章…現状、現実。

16/29
前へ
/1378ページ
次へ
[足なんて、……今はどうだっていいっ!] 礼司「………」 掴まれたまま礼司は抵抗も何もせずにされるがままでいた。 詩音は「何で、どうして…」と何度も何度も呟くように小さな声で訴えていた。 礼司「私は沙夜を愛していた。」 [……………] 礼司「私のものにしたかった。………いつも那緒司は私の欲しいものを持っていた。 お前の父がどんな奴か知っているか?」 [………いえ、] 礼司「倖城の家に生まれたのにも関わらず、奴は政治にも、家の事にも無関心だった。身分を隠しいつもいつも、ふらふらと屋敷を抜け出しては町へ行き甘味処や散歩をしていた様な適当な奴だ。」 [そんなの!] 礼司「ああ、奴の性格だ。否定するつもりはない。だがな、肯定するつもりも全くない。今では奴の方が私を憎んでる筈だ。大切な妻と、可愛い娘を奪ったこの私をな」 [………っ、沙夜さ、、……母上は] 礼司「死んだ。」 [!!っ………、、] 礼司「……………」
/1378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1940人が本棚に入れています
本棚に追加