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[……っ、、……、、]
目から自然と流れる温かい水が頬を濡らしていく
詩音は慌てて目を擦るが止まらなかった
礼司「………詩音」
[…………、、っ]
礼司「私は、お前の涙を拭う資格がないんだ。だから泣かないでくれ……」
[っ、……ぅ、、]
礼司[詩音、……その涙は那緒司や明音…沙夜と。お前の家族と会えた時のためにとって置きなさい。私の為に流すな]
[……っ、叔父上っ、、、]
礼司「………本当にすまない。」
いまだに涙を流す詩音の頭に手を伸ばそうとするが寸前で止める礼司
スッ、と伸ばしかけた腕を膝上に戻す
礼司「……ッ、……はぁ、………。」
礼司「詩音、その怪我の手当てをしよう。と言っても必ず連れてこいと命じた私の責任だが……手当てをさせてくれ」
[……っ、大丈夫です]
礼司「あまり放っておくのも良くない」
すると礼司は閉ざされた襖に向かって用件を放すとすぐさま侍女達が入ってきた
礼司「詩音の怪我を見てやれ。必ず治せ」
侍女〔はい。…失礼いたします。〕
するとテキパキと手当てを施していく侍女達。礼司はただ無表情のまま眺めていた。
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