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……………
……………………
[……ありがとうございます、手当てまでしてもらって]
礼司「ああ…。」
泣いてしまった事に気まずさを感じ、なかなか礼司の方へ向けない詩音
落ち着かない様子なのか包帯や前髪をいじっていた。
礼司「……今夜は泊まっていけ。明日、お前をきちんと京まで送らせる。」
[え?]
礼司「送るよりも先に迎えが来そうだが問題ない。お前達には話す事があるからな」
[お前、たち……?]
礼司「今日は休んで傷を治せ。落ち着かないだろうが気楽に過ごしてくれ。………明日香はいるか」
すると、外から声が聞けこえ襖を開き入ってきたのは先程詩音が初めてあった女性だった。
明日香「………」
礼司「明日香、詩音の話し相手を頼んだ。落ち着かないだろうからな」
明日香「えっ、」
礼司「頼んだぞ。」
明日香「は、はいっ、…礼司様」
そのまま部屋から出て行く礼司
残されたのは明日香と詩音の2人だけだった。
どうしよう、と考え始めた時に明日香が口を開いた。
明日香「何事もなくて良かったわね。流石に姪にまではないか…。
少し最初に脅しすぎたかもしれないわね。それでも、普段ならあながち嘘ではないから知っておく事は大切よ」
[あの、明日香さん…]
明日香「何?」
[明日香さんは、叔父上が…怖いんですか?]
明日香「………怖い。怖い。……そうね。怖くないと言ったら嘘になるわね。だからと言って、怖いという恐怖心はあまりない。ただ………寂しいわ」
[寂、しい………]
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