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明日香「ええ。…そして悔しい。」
明日香の言葉をジッと聞く詩音
そんな詩音に気づいた明日香は苦笑いをしながらも話し続けた。
何もかも沙夜には勝てない自分が嫌だった。
幸せな倖城がうらやましかった。
礼司の事をもっと知りたかった。
歳も近かった沙夜に負けたくなかった。
明日香「ただの逆恨みなだけだけどの、私にはそれしかなかったから。」
[明日香さん……]
明日香「礼司様はこれから先、倖城沙夜以外の人間を愛する事はないでしょうね。……それでも、私を見てほしかった。って、こんな事貴方に話しても何にもならないのにね」
[………]
明日香「一つ、私が認める貴方に言える倖城沙夜の良いところは……強かった、所かしらね。
沙夜は絶対に曲げなかったわ。家族を守る為に、自分を投げだしても倖城の事だけを考えてた。良い女よ。礼司様と、倖城の当主の二人が惚れるだけの事はあるわ」
[明日香さんも強いですよ。]
苦笑いしながら「お世辞でもありがとう。」と言うが詩音は首を横に振る。
[明日香さんも一途に思って考えてる所、とても強いと思います。]
明日香「女はきっと生まれながら本当は強いのよ。絶対に弱音をはいてはいけない。強くないとね」
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