第41章…現状、現実。

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次の日ーー 詩音は礼司に連れられ、屋敷の裏庭のような場所に来ていた。 草木が覆いしげり、足場も決して良いとは言えなかった。 礼司はそんな事も気にしない様に、むしろ歩き慣れているかのような足取りで進んでいく。 しばらく歩くとーー 礼司が立ち止まり、後ろを振り返り詩音を呼びかける 礼司「ここだ。」 [………、、] そこは先程の足場の悪い道とは全く違う一面綺麗に手をかけられているように見事な花が咲いていた。 [………桔梗の花] 礼司「ああ、沙夜の一番好きな花だ。」 [こんなに沢山っ、、] 礼司「墓みたいな場所だ。実際、沙夜はここには埋められていないがな。」 [………] 礼司「見せるべきか大分悩んだが……お前には見せた方が良いと思った。」 [………っ、] 礼司「………………」 一面が薄紫色をした桔梗の花で埋め尽くされていた。 綺麗に手入れをされているのが見れば分かる。雑草など生えておらず、花が咲いている。 礼司がどれだけ沙夜の事を愛していたのかが分かる
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