第41章…現状、現実。

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礼司「この場所を知る者は限られている。明日香でさえ知らない筈だ」 [……………] 礼司「この場を見て、お前がどう考え思うかは自由だ。私を憎み蔑むのさえも自由。……私はゆっくりと屋敷に戻っている。残りの時間、好きに使え」 サク、サク、と草木を踏む音のみが聞こえていたが…その音はどんどん遠ざかっていった。 礼司「………。」 ーー沙夜、お前はきっと私の事を許してはくれないだろうが、気持ちを向けていた事実だけは、なしにはしたくない。 ……すまないな。那緒司とも、もう何年も経っていなかったな………。 文でも出してみるか………。 [………。] ーー何か、変な気分です。母上、と呼んでも良いんでしょうか……? ここには母上はいないと聞きましたが、でも……この場にいた事は事実ですもんね。 [………もっと、一緒にいたかった。 もっと、………一緒に、、一緒に過ごしたかったです。] 何故だか自然と涙は出なかった。 気持ちはサッパリしていた。 清々しさもあった。
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