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[運、って……]
明「棗がね、〔可能性があるならそれを全て潰していくべきです。〕って」
聞いた事のない名前に首を傾げる詩音だったが、それに気づいた明音は直ぐに棗に声をかける。
すると、九十九と共に明音の数歩後ろに立っていた男の子が前に出てくる。
明「紹介するよ。彼は棗」
棗〔……は、初めまして。……棗です〕
少し顔を反らしながら名乗る棗
明音は「こら、棗」と言うが棗は一向に視線を合わせようとしない。
[詩音です。……初めまして、棗くん]
と、詩音が名乗ると棗はキッ!と詩音を睨みつける。
驚く詩音だったが、微かに棗が何かを呟いているのが聞こえた。
棗〔……本当に………〕
明「棗?」
棗〔………あなたは、本当に明音様の妹なんですか?〕
[!!??]
明「棗?!一体何を言っているんだい、」
九十九もまたすぐさま現れ、棗を引っ張り詩音から離れさせる
棗〔似てるのなんて顔だけです!正直、凄くがっかりです!もっと、僕は明音様みたいな方だと信じていたのに!!〕
九十九〔棗、もうよせっ!…やめろ!〕
明「九十九。棗を外へ出せ」
九十九〔かしこまりました。明音様〕
すると九十九はヒョイと棗を担ぎ上げ、窓から飛び出していく。
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