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[九十九……さん]
九十九〔はい。何ですか?〕
[私、変わりましたか……?]
たった一つ、軽い質問のようにも思えるが、詩音からしてみればとても重い質問だった。
九十九〔変わってなんていませんよ。詩音様は詩音様のままです。あの頃よりもただ大きくなっただけです。中身は全く変わっていませんよ、僕の知る詩音様です。〕
[……………]
スッと、した気がする。
何か軽くなった気がする。
我ながら単純。言葉だけで、立ち直れちゃうなんて本当に単純だ。
[………ありがとう、]
九十九〔良いんですよ。お気になさらず〕
するとーー
前方から声が聞こえてくる。
[声…?]
九十九〔無事に合流出来ましたね。〕
[ぁ、]
詩音と九十九の前には自分とそっくりな顔をしている双子の兄と、初めに走り出していった張本人でたる棗という少年が立っていた。
九十九〔どうやら、明音様に捕まったようですね、棗。…一度も逃げ切れた事ないのに…懲りないですね〕
[捕まえる…??]
九十九〔まぁ、鬼ごっこの様な感じです。棗が村人で明音様が鬼みたいな役割ですよ。実際、明音様の方がかなり手法なども上手ですが〕
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