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明「そんな相手いないって!……え、ちょっと待って詩音。まさか、何も言われてないの?」
[誰にですか?]
明「誰にって、僕の知る限り詩音の相手は栄太郎しかいないでしょう!!」
[ちょっ、ちょっと待って下さいって!吉田さんとはそんなんじゃないです!むしろ、吉田さんに失礼ですよ!]
明「………本当に、何も言われてないの?」
[はい、何も]
明「本当の本当?」
[本当の本当です]
ジーっと見つめる明音。しかし詩音も負けじと目を反らさずにジーっと見返していた。
明「嘘でしょ…?まさか、栄太郎がそんなに奥手だったなんて、少し驚いた。いや、かなり驚いたよ」
九十九〔奥手、のようには見えませんが。人は見かけによりませんね〕
明「んー、友としては少し残念」
人の色恋を面白がる性格は沙夜そっくりな明音である。
反対に詩音は那緒司似で後から気づく鈍感ぶりである。
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