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そして三日後 京
長州藩邸 とある一室 ーー
広々とした部屋の中心に明音と桂は向かい合って座っていた。
シーンと静まり返っており音は全くしない状態の中で二人だけで話をしていた。
明「すみませんでした。遅くなってしまって」
桂「本当に無事で良かったよ。九十九君から報告を受けた時は驚いたし心配だったけど、今思うと我々よりも兄である君が助けた方が良かったしね。皆、怪我はないかい?」
明「僕達は全くありません。しかし、詩音はあの有り様で……。大分良くなりましたがまだ状態は良好とは言えません」
桂「今は眠っているから聞けないけど、起きたらあの子自身から聞くよ。我々の変な決めつけで判断するのも良くないからね」
明「ありがとうございます。叔父上」
桂「明音、それで君はどうするんだい?」
明「九十九や棗と相談した結果、一度家に戻ろうと思います。父上にも文ではなく言葉で話してさしあげたいですし。だから……、詩音をお願いしても良いですか?きっとまだ全てを整理出来た訳でもないだろうし、しばらくはゆっくりさせてあげたいので」
桂「那緒司は元気かい?」
明「元気ですよきっと。僕から見れば、父上は殺しても死にそうにないです。むしろ、侵入者とかは徹底的に排除しますよ」
桂「相変わらず、穏やかなのか荒いのか分からないね」
明「普段は穏やかですよ、」
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