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ーー馬鹿みたい。本当に何やってんのさ
吉田は片腕で……微かに赤くなった顔を隠すように何度も何度もこする。
誰も周りにいないが何かを必至に隠すような素振りだった。
「はぁぁ。」と長いため息をつき、珍しくボーッと眺めていた。
「誰にも見られなかったのが救いかな。」
ーー恥ずかしさで今なら死ねる。
「さっさと詩音も忘れてくれたら嬉しいというか、ありがたいんだけど。」
ーー直接なんて恥ずかしくて言えない。
「何も考えずに行動するからそうなるんだよ。…まったく、、、馬鹿」
「誰が馬鹿なんだ?晋作か?」
「いや、晋作よりも今はもっとーー?!」
ガタッ!!と立ち上がるとすぐ横に見慣れた顔があった。
吉「…っ、九一か………気配消さないでくれる」
九「珍しいな。お前が気配に、しかもこの近さで気づかないとは……何かあったのか?」
吉「僕にとっては大事件だよ。」
九「先程から独り言が多く聞こえたが、悩みでもあるのか?」
吉「………いや。特に悩みってものじゃないから平気だよ」
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