第42章…後悔と再会

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高杉を探しながら藩邸に戻る為、そのまま路地を歩いていこうとし、足を踏み出した瞬間 パシッ!と後ろから手首を掴まれる。 驚きながらも何故か後ろが見れなかった。振り向く事が出来なかった。 「はぁぁ、はぁぁっ、」と息を少し切らせているのが分かった。おそらく走り回ったのか、事実は分からない。 その微かに感じれる温もりと気配には見覚えがある。だがしかし、今はもう自分の中では既に過去の事と人である。 [………っ、] 「はぁぁ、っ……はぁっ、ーー」 [!!!] 聞こえてくる聞き慣れた声での単語 最近では全く聞かなかった少し高めの優しい声 「詩音……です、よね?……そう、ですよね?」 [ビクッ……] 名前を呼ばれ、ビクつく身体。 掴まれた手首を放させるために力一杯抵抗する。が、力の差なのか離れない。 逃げようとしているのを止めるかのように「詩音!詩音!」と何度も名前が呼ばれる。 ゆっくりと……後ろを振り返る [……っ、、………沖田さ……] 「……詩音っ!!」
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