第42章…後悔と再会

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……… [……っ…はぁはぁ、……] ずっと走りつづけたままだった詩音は路地を抜け、少し明るくなった通りで足を止めていた。 いや、止まったのかもしれない。 息を整えながら後ろを振り返る。 誰もいないのが分かっていながらもついつい気になってしまう。 [………、] そのまま視線を戻す。 先程はじかれた手が気になって仕方がなかった。 ジッと手を見つめる。 傷つけられたわけでも、痣が出来たわけでも何でもない。 ただ、見入ってしまった。 初めての事に驚きと動揺が半分半分だ。 [……………。] キュッと手を握りしめ、息をゆっくりと吐いていき、落ち着かせていく。 最初の目的とは全く違う事が起きている。
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