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………
[……っ…はぁはぁ、……]
ずっと走りつづけたままだった詩音は路地を抜け、少し明るくなった通りで足を止めていた。
いや、止まったのかもしれない。
息を整えながら後ろを振り返る。
誰もいないのが分かっていながらもついつい気になってしまう。
[………、]
そのまま視線を戻す。
先程はじかれた手が気になって仕方がなかった。
ジッと手を見つめる。
傷つけられたわけでも、痣が出来たわけでも何でもない。
ただ、見入ってしまった。
初めての事に驚きと動揺が半分半分だ。
[……………。]
キュッと手を握りしめ、息をゆっくりと吐いていき、落ち着かせていく。
最初の目的とは全く違う事が起きている。
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