1940人が本棚に入れています
本棚に追加
[羽織りばかり……というよりも羽織りしかないんじゃ…]
洗濯物は沢山あったが、羽織りしかなかった。その羽織りはどれも詩音が見たことあるばかりの種類だった。
[桂さん、桂さん、桂さん、玄瑞さん、玄瑞さん、桂さん、九一さん、九一さん、桂さん、九一さん、玄瑞さん、玄瑞さん、玄瑞さん、玄瑞さん、…………多い。]
ほとんどが桂と玄瑞の羽織りだった。
確かにあの二人はよく肩から羽織りをかけている。
いっぺんに洗濯してしまおうって事か。
[さて、、とっ]
山積みになっている羽織りを井戸の近くへ置き、水を汲み上げる。
本日何回水を汲み上げているのか、毎回手間取る水汲みだが、もう手慣れた様に扱う。
[思ってたよりも私びしょびしょ…。]
濡れるんだから同じか、と作業を続けようとした時頭から何かが被さってきた。
[うわっ、、]
「ほら、ジッとしてる!」
[か、桂さーー]
桂「風邪ひくよ?さっさと乾かさないと」
[でもその前に羽織りを]
桂「羽織り?……って、何で自分よりも洗濯物優先にしてるんだい?もう、そんな羽織りは良いから!」
[いや、でも…]
桂「詩音。動かない。」
[は、はい………]
最初のコメントを投稿しよう!