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[……どんな風に話したらいいのか、分からなくなってしまうんです]
桂「………」
[昨日まで普通に話したりしていたのに、どうやっていたのかさえ分からないんです……。]
桂「……詩音、それは君だけではないと思うよ。何があったのか、その場にいなかった私には詳しく分からないけど…それでも君がそうなら、稔麿だってどうしたら良いのか分からないかもしれないよ?」
[……吉田さん、が]
桂「稔麿は分かりにくいと思うかもしれないけど、実際彼はとても分かりやすい人間だと私は思うよ。素直なんだよ」
[………想像つきません。素直な吉田さん……]
桂「まぁそう言わずに。向き合ってみてみなさい。そうすればきっと、互いに思っていたことが伝わるよ。」
[………はい、、]
桂の言葉が染み込んでいく……。
動揺、緊張がほぐれていっている。
不思議だ。
不思議と、落ち着いている……。
[………整理しないと、いけませんね]
桂「ああ、そうだね。それも大切だよ」
すると、ファサっと頭にあった布巾の感触が無くなった。
「大分乾いたから急いで着替えておいで」と言い一度自室へ戻るように勧める
詩音は布巾を肩からかけてまだ少し残っている水滴を吸い込ませながら、言われた通り自室へと向かう。
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