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[よ、吉田さんっ……!]
吉「逃げないで。お願いだから…。自分から近くに来たんだから、逃げないで」
[……っ、で、でも…]
吉「絶対に何もしない。だから、そうやってすぐに逃げようとしないでよ。前みたいに隣に座って話したり、一緒に甘味処に行ったりしてよ…」
[……吉田さん、]
吉「僕が言ってる事、矛盾してるのはよく分かってるつもりだよ。…でもね、強がってるつもりでも…実際、そんな余裕がないんだ。」
吉田の言葉を黙って聞き続ける詩音
その真剣さに何も言えなかったのが正解だ
吉「……それに、最近は僕も忙しくなってきた。今日だってこれから行くところがあるし、きっとあまり帰ってこられなくなると思う。」
[ぇ、……吉田さん、帰ってこないんですか?]
吉「絶対に帰ってくるよ。…でもね、君にはあまり会う事が出来ないかもしれない」
[…………、、]
吉「………だから、言わせて。僕が君を想ってる事。……詩音、それだけは無かった事にしないで」
[………吉田さーー]
「さて、」と吉田は立ち上がり詩音に背を向けたまま「行ってくるからさ。お土産、楽しみにしててよ」と言うと、そのまま歩いて行ってしまった。
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