第44章…隔心

11/32
前へ
/1378ページ
次へ
スースー、と眠る沖田 普段人の気配に人一倍鋭い沖田は近くに誰かいれば一瞬にして目が覚め、眠る事は決してしない。 だが、珍しく眠る沖田は余程ぐっすり眠れていなかったのか…。 土「自分の身体ぐらい、自分で操れ。馬鹿が」 パラパラと机に散らばる書類を片付けていく。 土「…そういや、随分と最近寒くなってきたな…。一年近くか……、、」 チラッと、沖田に視線を向け「悪ぃな総司。こんな事になっちまって…力不足だ」 土「…もう、戻れねぇのが歯痒くて仕方ねぇよ。ったく…情けねぇっ、」 沖「………………。」 …………… 沖「根っからのお人好しの馬鹿ですね。昔っからそういう所が好きじゃないんですよ。自分がいけないみたいな顔して、、本当に。馬鹿鬼副長」 机に伏せて眠る土方。近くにあった羽織を広げ、肩からかけてやる 沖「あなたの事、憎めない自分が嫌なんですよ。……歯痒いのはあなただけじゃないんですよ。」 ゆっくり襖を開け、物音をたてないように部屋から出ていく。 沖「……。」
/1378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1940人が本棚に入れています
本棚に追加