第44章…隔心

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…… …………… 巡察中、平助と原田は自分達の隊を引き連れていた。 屯所に帰ろうとしていたその帰り道、平助はキョロキョロと何かを探しているような素振りをする。原田はそんな素振りが気にはなっていたが、何も言わずにいた。 平「なぁ左之さん」 原「なんだよ」 平「俺、行きたい所あるんだけど」 原「…、誰かに会いに行くのか?」 平「ぃや、…会いに行くわけじゃ…」 様子見というか、何というか…とボソボソと呟く平助に原田はため息をはく。 呆れた様な、仕方がないという様な苦笑いでいる。 原「お前は、本当に優しい奴だよ」 平「な、な、何だよ急に!」 原「優しい奴だよ。甘すぎる位にな」 平「んだよ左之さん…、」 原「……平助。お前はさ、アイツの味方でいてやれよな」 平「は?何それ、」 原「いいから、分かったか?」 平「わ、分かったよ」 新撰組の中で、絶対的なアイツの味方だった近藤さんに土方さん、総司は、複雑な心境な筈。実際、総司は抜け殻の様に数日呆然としていた。 吹っ切れたと言っているが、本人を斬る事は絶対に出来ない筈だ。苦悩するに決まってる。 平助、だからお前だけは素直に詩音の事を信じてやってくれよな。 俺は…、アイツ自身に会ってないから状況や身の内すら分かってねぇ…。出来る事なんて、ねぇんだよ。
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