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タ、タ、タ、タ、タ と軽快に走り去っていた。
歩く人達をどんどんと追い抜かしていく
目的地など曖昧だ。あまり記憶に残っていない。ただ、自然と足が向かっていく
しかし…本人の心境はとても複雑で。というよりもかなり苛立っていた
平「左之さんのばーか!」
と、何度も何度も呟く。原田にからかわれる事は多々あり、平助本人も言われ慣れている。
しかし、今回は妙に頭に残りって仕方がなかった。
平「まーったく、人の事を馬鹿にしやがって…!俺だってやる時にゃやる男なんだってんだ。よっ、、っと…」
ヒョイ、と身軽な事を活かして低い壁を簡単に飛び越えていく。
綺麗に着地すると何事も無かったかのようにまた歩き出す
平「んーと、…どうすっかなー。てか、あの時は偶然行けたからな…道が分からねぇ」
今更ながらに平助は気づいたのだ。目的地までの道のりが分からない事に。天然なのか、馬鹿なのか、少しというよりも大分抜けていた。
平「左之さんにますます馬鹿にされる…」
少し鳥肌が立った平助だった。
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