第44章…隔心

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タ、タ、タ、タ、タ と軽快に走り去っていた。 歩く人達をどんどんと追い抜かしていく 目的地など曖昧だ。あまり記憶に残っていない。ただ、自然と足が向かっていく しかし…本人の心境はとても複雑で。というよりもかなり苛立っていた 平「左之さんのばーか!」 と、何度も何度も呟く。原田にからかわれる事は多々あり、平助本人も言われ慣れている。 しかし、今回は妙に頭に残りって仕方がなかった。 平「まーったく、人の事を馬鹿にしやがって…!俺だってやる時にゃやる男なんだってんだ。よっ、、っと…」 ヒョイ、と身軽な事を活かして低い壁を簡単に飛び越えていく。 綺麗に着地すると何事も無かったかのようにまた歩き出す 平「んーと、…どうすっかなー。てか、あの時は偶然行けたからな…道が分からねぇ」 今更ながらに平助は気づいたのだ。目的地までの道のりが分からない事に。天然なのか、馬鹿なのか、少しというよりも大分抜けていた。 平「左之さんにますます馬鹿にされる…」 少し鳥肌が立った平助だった。
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