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ザワザワと人通りの激しい道中
少し離れた距離で話をする者がいた。
遠目から見れば、知り合いではないと思われるだろう。そんな距離だ。
一人は黒い着流しを着て、長い髪を一つに結っている男
もう一人は町人らしき人物だった
「そうか…。分かった」
「良いんですかい?」
「別に構わん。困る事など特にない」
「あんた、本当に忠実やなぁ…」
「お前も気分屋ながらにきちんと仕事はするではないか」
「気分屋って、酷い事言わんといて下さいよお侍さん」
「……はぁぁ。では引き続き、頼んだぞ。」
「へい。かしこまりました。情報集めは得意なんでね」
「それがお前の仕事だろうが」
「それ言われちゃ返しようがありませんがな…ハハッ、」
「次はどれくらいになりそうだ?」
「そーですねぇ…あちらさんが尻尾を出してくれないとね~、」
「なるべく早めに掴んでくれ」
「へい、かしこまりました」
「では行く。任せたぞ」
そう言うと着流しを着た侍は人混みの中に紛れ込んでいった。
残された町人は侍が歩いていった方へ目を向け、「任されました、斎藤さん」とボソッと呟くと反対方向へと歩いていった。
「情報収集はお手の物なんでね…。さて、と…ちゃっちゃとやりますか、」
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