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実際、考え方が違うだけで…行き着く先は同じだよ。ーーそう先生と呼ばれた人物はボソッと呟いたが、隣にいた者にはよく聞こえていなかった。
「ん、先生何かいいやしたかい?」
「いいや、別に…。今さら気にしたってどうにもならないし。」
「??」
「そんな事よりも、…どうなの?結局上手くいきそう?失敗は許されないよ」
「……失敗、しません。絶対にしないって決まってるさかい」
「………新撰組には要注意。奴らには優秀な監察がいるし、間者もよこす。勘は鋭いしね。鼻が良いのかな、狗はやっぱり」
「先生、新撰組に隠れるのも慣れたもんです。行動に移すには時間がかかってしまうかもしれやせんが、」
「時間もあまりないよ。それだけは頭に入れといてよね」
「他の奴らにも伝えときます」
頼んだよーー、と話していた時人とすれ違った。
人気の少ないこの場所で、侍と。
「………。」
「?どうかしやしたかい?先生」
「………いや、久々だと思ってね」
「久々…?もしかしてお知り合いで?」
「いや。顔見知りな程度かな…」
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