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「…あなたが誰を探しているのかが解りかねるのだが。」
「ぁーそっか。えー特徴…特徴は~、」
「………見ていない。あなたの探し人は知らん。悪いが他をあたってくれ」
と、長くなりそうな流れを速攻切ったつもりでいたが、いまだに考え続けていた
「あ!髪が長いな、一つに結ってる。で、背丈は大きい方だな…後は切れ長の眼にー、ちょっとだけ高めの声で、紺とかの着流しとか袴をはいてる。」
「……その条件に当てはまる者など探せば多くいると思うが。」
「いやいやいや、俺が探してるのは一人で」
「知っている…!」
長くなる。これは絶対に長くなる。と嫌な気がしてならない。
「悪いが、本当に心当たりがない。人なら先程連れ違った者達しかこの辺りでは見かけてすらいないからな。」
「さっきすれ違ったのか?」
「ああ。つい先程だが…っ、それがどうかしたのか?」
ガシッ!と両肩を掴まれる。「そいつ!どこ行った?どっちに向かった?!」と食いついてくる反応を示す。
「あっちだ。あっちへ向かっていったと思う。行き先までは知らん。」
「おー、あっちか…ありがとなー!いやー助かったぜー」
「あなたの探し人かどうかは知らないんだが…。まぁ、…俺は先を急ぐ。早く見つかるといいな」
「いいたい事もあるからなー。お~、ありがとな!よしっ!」
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