第44章…隔心

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高「頑張ってって何だよ!分かるだろ普通!分かろうとしてくれよっ!」 玄「は…?何言ってるんですか…。というよりも、君が勝手に騒ぎ出して邸を飛び出したんでしょう?」 高「だって心配じゃねぇのかよ!?」 玄「心配って…。晋作君、君は彼女を甘く見すぎですよ。刀の稽古をするくらい普通じゃないですか。忘れてません?彼女だって二刀流使い手ですよ?何もしないでいると身体がなまってしまいますよ。それに、以前からよく九一君と朝稽古したりしてましたよ。知らなかったのは多分、君だけですよ。」 高「そ、そうなのか?!」 玄「ええ。そうです。だから、喚き散らしてないでいい加減落ち着きというものを身につけて下さいよ。」 呆れた。という顔と蔑む目。その視線に高杉は慣れっこなので今更何とも思わないし何ともない。普通だったら心が折れてもおかしくない。 高杉が鈍いのか、おかしいのか、馬鹿なのかは分からない。 玄「ほら、いつまでもフラフラしてないで君も仕事して下さいよ。何でそんな暇そうな駄目人間な人生を繰り広げているんですか。もっと動いて下さいよ。時間だってもうあまりないんですからね?」 高「……分かってるって!」 「忙しくなってくるんですから、」と押し入れの中でガサガサと何かしている玄瑞。そんな玄瑞とは異なり、脚を投げ出し楽な態勢をしていた。 高「あ!……ああ、そうだそうだ!もう一つあった!」 「はいはい何ですか今度は」と作業をしながら返答する玄瑞に高杉は関係なく話し続けた。
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