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詩音の言葉など聞かずに自分の意見を述べている高杉。その演説にはかなりの力が入っているかのように思える。
[………………]
ーーどうしてそんなに目立ちたいんだろう。
詩音は疑問にしか思えなかった。
だが、そんな事言ってもきっと高杉に余計に火をつけてしまうだけだと思い何も言わずにいた。
高「だから、つまりはだな…?……って、詩音どうした?」
[…襟巻きって奥が深いんですね]
高「気づくのが遅ぇよ。襟巻きはだな、色々使えるんだって」
[聞きました聞きました、、]
高「年中無休品だからな!予備なら腐るほどある。なんならやろうか?遠慮すんなよっ、」
[してませんしいりません!見てるだけで暑そうですもん。もしかして、真夏とかも…]
高「言っただろ?年中無休品だって」
[……ぁー、………それはまぁ、……]
そういえば、と詩音は記憶を辿る。
夏。自然と体がぐたりとしてしまう時期
普通に歩いていても汗が垂れてくる。
しかも京の夏は格別に暑い。
うちわを使っても水をまいても、風鈴を鳴らしても涼しさなどない。
だがしかし、約一名。汗をかきながらも見るからに暑そうな服装をしていた人物がいた。
[真っ赤で長い襟巻き……………って、本当に年中無休品ですね?!大活躍じゃないですか!]
高「だから言ってんじゃねぇかよ」
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