第45章…霞み

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ボーッと、九一の歩いていった方へ視線を向けていた詩音に「おいどうした?なんかあったか?」と高杉は詩音に問いかけると、九一を久しぶりに見た気がするーーと呟いた。 高「勘違いじゃねぇのか?」 [そう、ですかね…?] 高「そうだろ。あまり会わなかっただけなんじゃねぇのか?入れ違いとかだろ」 [そう、…ですね。そうですよね、考えすぎでした] 高「そうだそうだ。…それよりよー、腹減らねぇか?何か菓子とかなかったっけ?」 [ぁー、確か無かったと思いますよ。] 高「まだ夕餉の時間には時間あるしなー。団子でも買ってくっか」 「よいしょ、」と立ち上がり、両手をぐーっと上に伸ばし深呼吸をする。 高「はぁぁ、っと…お前も来るかー?甘味処。特別に奢ってやるよ」 [私やる事あって…。買ってきて下さいよ、皆で食べましょう?] 高「金かかんだろー。何本買えばいいと思ってんだよ」 [せっかくなら、皆で食べたいじゃないですか] 高「知ーらね!」 ぷい、と顔を背け「団子団子ー」と駆け足で去っていく高杉 [ちょっと!高杉さんっ!]と呼んでも止まりはせずに余計走る速度が上がった気がした。
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