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嵐のように現れ、嵐のように去っていった。
残された桂と詩音は以蔵が「じゃあな!」と言い軽々と飛び越え去っていった方角へ視線を向けていた。
桂「…まったく、嵐のようだね。言いたい事だけ言って去っていったよ」
[凄まじいですね、以蔵さん]
桂「彼とは二度目だっけ?」
[はい、前に一度だけ…その時もすぐに行かれてしまいました。]
桂「岡田以蔵は、ジッとはしていられない人間だから仕方ない。気にする必要はないよ」
[……そういえば桂さん、いつお戻りに?全然気づきませんでした]
桂「ごめんごめん。実は裏口から入ってきたんだ。そのまま部屋に行ってしまったから……何も言わずに悪かったね。」
[ぁ、いえ。お忙しい事は分かってますから…。大丈夫ですよ]
ニコッと笑いながらの「大丈夫」の一言
そのたった一言に桂は少しの違和感を感じた。
無理して笑ってる。
心配かけないようにみせている。
[……!!?]
ソッと、肩と頬に添えられたら手
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