第45章…霞み

15/25
前へ
/1378ページ
次へ
嵐のように現れ、嵐のように去っていった。 残された桂と詩音は以蔵が「じゃあな!」と言い軽々と飛び越え去っていった方角へ視線を向けていた。 桂「…まったく、嵐のようだね。言いたい事だけ言って去っていったよ」 [凄まじいですね、以蔵さん] 桂「彼とは二度目だっけ?」 [はい、前に一度だけ…その時もすぐに行かれてしまいました。] 桂「岡田以蔵は、ジッとはしていられない人間だから仕方ない。気にする必要はないよ」 [……そういえば桂さん、いつお戻りに?全然気づきませんでした] 桂「ごめんごめん。実は裏口から入ってきたんだ。そのまま部屋に行ってしまったから……何も言わずに悪かったね。」 [ぁ、いえ。お忙しい事は分かってますから…。大丈夫ですよ] ニコッと笑いながらの「大丈夫」の一言 そのたった一言に桂は少しの違和感を感じた。 無理して笑ってる。 心配かけないようにみせている。 [……!!?] ソッと、肩と頬に添えられたら手
/1378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1940人が本棚に入れています
本棚に追加