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吉「…………ッ、」
あー、イライラする…。
どうしてあんな事言われなきゃいけない。
どうして抵抗しない。
どうしてやり返してこない。
吉「どうして、諦められるんだよ。」
イライラした様子の吉田
眉間に皺を寄せスタスタと上手い具合に人と人の間をすり抜けていく
「詩音を…頼みます…っ。」
先程、沖田から言われた言葉ーー。
それは吉田からしてみれば思ってもいなかった言葉だった。
吉「大馬鹿にも程がある。」
そんなに心配で、大切だったなら奪い取ってみたらいいじゃないか。
戦いに来ればいいじゃないか。
詩音を…取り戻そうと足掻けばいいじゃないか。
吉「簡単に諦めちゃったりして、…十年以上諦めなかった僕が馬鹿みたいじゃん。………人を馬鹿にしてっ。」
何があったって返してなんかやらない。
あの子は渡さない。
もう、何もかも遅いんだよ。
…それを分かってるかのように諦めてるのが腹たつけど。
吉「お願いなんかされなくたって、もう簡単には手放さないに決まってる。」
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