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吉「そっか。…ならいいや」
玄「稔麿くん、私達は少し情報収集をするために京を離れます。大阪や長州方面へ行ってきます。」
九「晋作も、少し身を隠すと言っていた。」
吉「じゃあ、藩邸には二人だけになるね」
玄「ですから稔麿くん、早く戻って下さいね。皆待っていますから…またあの騒がしい毎日がおくれるのを」
九「………………。」
吉「ぁーぁ、止めてよちょっと。絶対顔は藩邸に出すよ。出さなかったら桂さんに怒られそうだし。」
「じゃあね、二人とも」と言い残すとスタスタと歩いて行ってしまった。
その後ろ姿をジッと見つめる九一と玄瑞
普段ならばすぐに自分達も去るものの、どうしても目を逸らす事が出来なかった。
玄「…本当に、急に忙しくなりましたね」
九「ああ。…しばらく戻れそうにもないな。」
玄「えぇ。」
吉「…少し、嫌な予感がするな……。」
それが、二人と長年の友である吉田稔麿と会った最期の日だった。
その事はまだ誰も知らない…。
そして入江九一、久坂玄瑞は京を去り情報収集へと出掛けて行った。
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