第46章…想い

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吉「そっか。…ならいいや」 玄「稔麿くん、私達は少し情報収集をするために京を離れます。大阪や長州方面へ行ってきます。」 九「晋作も、少し身を隠すと言っていた。」 吉「じゃあ、藩邸には二人だけになるね」 玄「ですから稔麿くん、早く戻って下さいね。皆待っていますから…またあの騒がしい毎日がおくれるのを」 九「………………。」 吉「ぁーぁ、止めてよちょっと。絶対顔は藩邸に出すよ。出さなかったら桂さんに怒られそうだし。」 「じゃあね、二人とも」と言い残すとスタスタと歩いて行ってしまった。 その後ろ姿をジッと見つめる九一と玄瑞 普段ならばすぐに自分達も去るものの、どうしても目を逸らす事が出来なかった。 玄「…本当に、急に忙しくなりましたね」 九「ああ。…しばらく戻れそうにもないな。」 玄「えぇ。」 吉「…少し、嫌な予感がするな……。」 それが、二人と長年の友である吉田稔麿と会った最期の日だった。 その事はまだ誰も知らない…。 そして入江九一、久坂玄瑞は京を去り情報収集へと出掛けて行った。
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