第47章…暴かれた情報

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拝啓 詩音様 如何お過ごしですか。 なんて、堅苦しいね。 いきなり文なんて驚いただろうね。 …まず、手紙の差出人が誰だが分かるかな これでも、君の父親です。 詩音、元気かい? 行方不明に…いや、死んでしまったと思っていた娘が生きていたのを知った時は会いに行こうと屋敷から脱走しようとして屋敷の者に止められました。 明音から、今の事を聞いて…大変だったね。そんな時に側にいてあげられずに本当にすまない。 一緒に過ごした時間は少ないものだったけど、忘れた事なんて一度もないよ。 詩音に会いたいよ。 明音が正直かなり羨ましい。 この十数年、空白になってしまった時間をもう一度過ごしたいと思ってる。 小五郎さんからの文で様子は聞いているが、とても大変のようだね。 それに、僕が作った蒼漣と珀漣を使いこなしてくれてるらしいね。 ありがとう。大切にしてくれて嬉しいよ。 刀を持つ事を昔は反対だったけれど今は良かったと思ってる。 必ず、その刀達は君の力になってくれるからね。 全てが終わったら、落ち着いたらでも全然良い。 いつでも帰っておいで。自分の家なんだから、戻りたかったら戻れば良い。 ずっと、待っているからね。  まだまだ書き足りないよ。 もっともっと、話したい事がある。 けれど、文という事で少し抑えるよ。 詩音、また必ず会おうね。 その時は力いっぱい抱きしめさせてほしい。 身体には気をつけるんだよ。 倖城 那緒司
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