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桂「きっと、今もいる筈だ。あの子をこのまま放ってはおけない。」
[どうして、逃げようとしないんですか]
桂「………。他の者達を置き去りにできないんだよ。きっと。…自分の予想を伝えた所で確証なんてどこにもない。それを信じる者もいない。」
[…一人で抜け出そうとする方じゃありませんもんね。]
桂「誰よりも周りを見て、優しい男だ。
だから、…君には酷な事を言ってると思うけど[酷な事なんかじゃありませんよ。]」
酷な事なんかじゃ全くない。
今まで、何度も何度も助けてもらった。支えてもらった。側にいてくれた。
[私が、救えるなら。……私で良いのなら。]
桂「詩音で良いんじゃない。詩音が良いんだよ。」
[………]
桂「君から言われたことなら稔麿も素直に聞くしかないだろうしね」
[……でも、ごめんなさい。桂さん]
桂「ん?」
[私は、…………行けません。
今は……行けないんです。仮に会ったとしても多分あの人は私の事なんて気にせずに自分の仕事をすると思います。
ここ数日、皆さんの様子を見てれば分かります。桂さんだって…本当は行かないと行けないんですよね?その池田屋へ。]
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