第47章…暴かれた情報

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桂は素早く支度をし、渋い緑の襟巻きをつけ口元を少し隠す。 [そうすると、すれ違っただけでは分かりませんね] 桂「そうだろう?これで大抵逃げられる」 [でも暑くはありませんか?] 桂「まぁ、少しね。慣れればどうってことないよ。ほら、晋作なんて一年中だしね。」 [凄いですよね…] 桂「あれこそ私には出来ないよ。」 話してはいるが着々と準備を終わらせていく。 外まで見送る為に行き、刀を渡すと二本腰にさし少し後ろにいた詩音の方を振り向き、「行ってくるね」と頭をポンポンと軽く撫でる いつも桂は出掛けるとき、決まって頭を撫でる。 [行ってらっしゃいませ。] そう言うとニコリと笑い、藩邸から出ていった。 後ろ姿を見送り、屋敷の中へ戻り座敷の襖を開くと少し戸惑った。 [……こんなに広かったっけ…。この部屋] ガランとした広間 いつも皆集まって話をしたり、支度をしたりしていた。 [早く、帰ってきて下さい……みんな、] ーーーーー ーーーーーーーーー 吉「まったく、何も今日でなくたって。」 浪士「今日でも明日でも同じ事。だが、やるからには早い方がいい。」 吉「だからって、古高が捕まったばかりですよ?幕府どもに情報が伝わっていたっておかしくない筈。もう少し様子を見た方が得策かと。」 浪士「まだ言うか吉田。随分弱腰だな」 吉「弱腰で結構。死ぬのは怖くありませんが無駄死には嫌です。」
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