第48章……池田屋事件

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沖「あなたを捕まえて、詩音を返してもらいます」 吉「君に捕まる気も、あの子を返す気も更々ない」 部屋の中では刀はあまり使い物にならない。 柱や、屋根など障害物しかないからだ。 だがしかし、そんな事を感じさせないかの様な動きで二人は刀を扱う。 吉「君達新選組って、本当にしつこいよねっ!いい加減諦めるって事を覚えなよっ、」 沖「生憎、諦めるって言葉が一番嫌いな組織なんでっ!」 キン!キン! と刃物がぶつかり合う音が響き渡る。 部屋の灯りはなく、月明かりの光だけが部屋に差し込み相手の顔などはっきりとは見えない。 だが、互いに気配だけで動きを読み取り相手を仕留める事を考えていた。 吉「……はぁ、………」 沖田だけならまだ良いけど、他の奴らが増えたらちょっと厄介だな…。 新選組は数人で必ず動く。そして…敵を殺す。 吉「本当に、全てにおいて反吐がでるよっ!!」 沖「くっ………っ!!」 ガキンっ!! と吉田の振り上げた刀が沖田を圧す。 沖「あなたは、…あなた方はっ、詩音をどうするつもりなんですか?!彼女にも、対幕府に陰の事をさせるつもりなんですか?!」 吉「そんな事させないよ。絶対、手を汚させる真似はしないし。させるつもりはない!」 沖「ならっ!!」 吉「そういう君達は、あの子の手を汚させる事ばかりさせてたろう!!田舎侍共が、名を挙げ名声を手に入れる為に京へ来て何をしてる?やってる事は其処らの浪士達と変わらないじゃないか!」 沖「生憎ですが、僕はあまり新選組そのものには興味がないんです。局長の、副長の考えは分かりません。ただ僕がやりたい様に、やりたい事をやるだけですっ!!」
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