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吉田は詩音の腕を引き、窓から逃げようとしたその時ーーーー
沖「ゴホッゴホッ、っ、ゴホッ、」
ボタボタと、苦しそうに咳をしながら覆う口元から血が溢れる。
同時にーーバタバタバタバタと、階段をかけ上がってくる音が響く。
「「沖田隊長っ!」」
数名の新選組隊士達が刀を構えながら応援に駆けつけた。
隊士達の目の前には負けなしと言われる沖田が血を吐き怪我をした辛そうな姿。
そして窓から逃げようとする二人の姿。
そのうち一人は隠すように頭から羽織りを被っており、もう一人は沖田と同じ位の怪我をしていた。
隊士達が二人を敵と認識するには充分な材料だった。
「よくも、沖田隊長を!!」
「死ね!攘夷志士ども!!」
咳をしながらも息を整え、朦朧とする意識の中、声のする方へ視線を向けると
そこには刀を振り上げ詩音と吉田に斬りかかろうとしている隊士達の姿があった。
沖「!!っ、止めろっ!!」
「死ねっ!!」
一人の隊士が羽織りを被り背を向けていた詩音へと斬りかかる。
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