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[!!?]
吉「くそっ、、」
頭から被っている羽織りのせいで視覚の範囲に限りがある為、反応が遅れた詩音だったが、咄嗟に気づいた吉田が詩音を自分の背に隠し、手に持っていた刀で受け止める。
狭い部屋の中で疲労した吉田は刀を鞘から抜き出すことが出来ず、鞘に納めたまま刀を受け止める。
「っ、このっ!」と、鞘で受け止めながら横へなぎ倒す。
だが集団戦が得意な新選組隊士。
次から次へと達士達は斬りかかろうと、向かってくる。
吉「次から次へとっ!」
[囲まれたら一気に殺られますっ、]
吉田は自分の小太刀である紅漣を詩音に渡す。
吉「丸腰だと何も出来ないでしょ」
[ありがとうございますっ、]
ギュッ、と自分の父が造ったこの世に二つとない刀を握り締める。
吉「刃零れしたから今度、那緒司さんに研ぎ直してもらいに行かなきゃね」
[ご一緒しますよっ、]
互いに背を預け、刀を向ける。
腕前は明らかに吉田と詩音が優勢。
だがしかし、詩音は小太刀。また吉田は疲労も激しい為、新選組隊士達に油断をする訳にはいかなかった。
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