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吉「沖田は?」
[さっき血を、、]
詩音は心配そうに沖田へ駆け寄ると、気を失っていないものの「はぁ、……はぁ、……」と苦し気に呼吸を繰り返していた。
刀を握る力もないのかその手から放されており、胸元をギュッと握りしめていた。
声をかける事に少し躊躇いながらも手をゆっくり伸ばし、沖田の肩にそっと手をかける。
驚いたのか…ピクリと肩をびくつかせ顔を上げた。
[沖田さん。…大丈夫ですか?]
沖「……………えぇ。はい。」
[すみません。……隊士を……]
詩音の言葉に、顔を上げて視線を詩音の先にある転がった隊士達へと向ける。
沖「………彼等も自分で向かって、戦った結果。後悔はないでしょう。」
[………]
沖「ゴホッ、それより、早く行った方が良い。人の数もさっきより増えてる筈です。油断しないで下さいっ、」
[……沖田さん。]
沖「……早く。僕が、君を捕まえてしまう前に行って下さい。」
吉「………。行くよ詩音」
[……はぃ。]
詩音は立ち上がり、その場を後にしようとする。
その時ーーーー
沖「!!ぁ、」
[!!っ、……]
吉「…!っ、、」
グサリ、と重い音が静かな部屋に広がった。
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