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「ぅ、……くっ、、死ねっ!!」
血にまみれた浅葱色のだんだら羽織りを来た隊士が力を振り絞り刀を突き刺していた。
ドスっ、と何かにぶつかる音と
苦し気に息をつく呼吸音。
[ぁ、……っ、…は、]
頭がーー追い付かなかった。
自分の目の前には、新選組隊士。
そして
「クっ、…本当に、しぶといんだからっ、」
背を向けながら、刀が突き刺さっている
よく見知った
自分よりも大きな背中
[ぁ、……っ、よし…ださ、……っ、]
吉田は刀を突き刺してきた新選組隊士に向かって刀を振り下ろし、ズルズルと隊士の身体が崩れ落ちた。
最後の力を振り絞り、無意識に身体を動かして攘夷浪士を打とうとしたのだ。
吉「ゴホッゴホッっ、…くそっ、……」
吉田は口元から血を流し、自身の腹に刺さったままの刀を抜き出す。
「ぅ、くっ……、ゴホッゴホッ」と苦しそうに息をする。
はぁ、はぁ、と息を整えようとするが腹から血が止まらない。
力が入らないのか膝から崩れる。
[吉田さっ、、ぁ…、血、血を…]
吉「だめ、汚れるっ、、」
[そんな事言ってる場合じゃっ!]
詩音は被っていた羽織りを脱ぎ、吉田の腹に押さえつける。
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