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[やだっ、止まって!止まって止まってっ、お願いっ!!]
吉「はぁ、……はぁ、、っ、うっ」
止まって。止まって!!!!と繰り返しながら羽織りをギュッと押さえつける。
だが、その願いも虚しく羽織りの色はどんどんと血に染まっていき真っ赤になっていく。
[いゃ、嫌っ!]
吉「はぁ、…っ、詩音っ、」
[嫌だ、嫌っ、いやっ、嫌っ!!]
吉「大丈夫っ、……そう簡単に、…死なないよ」
[こんな、血が流れたら、……危ないですっ、早く止血っ、しないと。
早くっ、こんな所から逃げてっ、治療を…玄瑞さんに、っ見てもらって…、、]
吉「……っ、…」
吉田は詩音の手を上から握りしめる。
ギュッ…と、
吉田の大きな手が詩音の手を包み込む様に。
血まみれになった詩音の手を優しく、
大切そうにーー。
[!?……吉田さ、……]
何も言わず、ただギュッと手を握りしめる吉田。
泣きそうになりながら、じっとその目を見つめるとフッ、と優しく笑いかけられる。
吉「詩音…。本当に、僕は…」
僕は、ーー君が大好きで。
これ以上ないくらい、愛してる。
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