第48章……池田屋事件

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握りしめていた手を引き、ゆっくり抱きしめる。 [!!っ、吉田さ、、「……はぁぁぁ。……やっと、君をこうやって…この手で抱きしめられた。 ちょっと、…僕が望んでた環境と、状況が全然違うけど。…でも、まぁ…もう良いや。 ……君が僕の腕の中にいてくれるなら、何でも良いよ。」 ギュッ、と更に抱きしめられる。 吉「本当、…僕がどれだけ心待ちにしてたか君、知らないでしょ。何日も。何年も待ってた。でも、中々諦められなくて。自分でもどうしようもないくらい……どうすれば良いのか分からなくて。 ただ…、ただ君が大切で。…守ってあげたくて。 近くに、…側に、隣にいたくて…。 自分でもこんな感情信じられないくらい、君と一緒にいたくて。」 [よし……、] 吉「でも、………君を庇って、こうなったなら。まぁ、、別に悪い気はしないかな。」 [何……言って、、] 吉「ハハ、…本当、僕何言ってるんだろうね。 …でも、言いたいんだよ。今。 今じゃなきゃ、もう……。」 吉田からは血が止まらず流れていく。 羽織りはもはや役に立たないくらい、色が変わり血を染み込んでいた。 気づいていた。 もう、限界だとーー。 身体もだんだんと重くなり、力が入らない。 意識も少しずつ遠退いていく。 だが、そんな姿を見せない様に。 気づかれない様に。 何も知られない様に。 悲しませない様に。 この時間を無駄にしない様にーー。 更にギュッ、と抱きしめる。 吉「詩音…。君を……愛してる。」 [!!!!] 吉「これだけは、伝えたかった。」
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