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握りしめていた手を引き、ゆっくり抱きしめる。
[!!っ、吉田さ、、「……はぁぁぁ。……やっと、君をこうやって…この手で抱きしめられた。
ちょっと、…僕が望んでた環境と、状況が全然違うけど。…でも、まぁ…もう良いや。
……君が僕の腕の中にいてくれるなら、何でも良いよ。」
ギュッ、と更に抱きしめられる。
吉「本当、…僕がどれだけ心待ちにしてたか君、知らないでしょ。何日も。何年も待ってた。でも、中々諦められなくて。自分でもどうしようもないくらい……どうすれば良いのか分からなくて。
ただ…、ただ君が大切で。…守ってあげたくて。
近くに、…側に、隣にいたくて…。
自分でもこんな感情信じられないくらい、君と一緒にいたくて。」
[よし……、]
吉「でも、………君を庇って、こうなったなら。まぁ、、別に悪い気はしないかな。」
[何……言って、、]
吉「ハハ、…本当、僕何言ってるんだろうね。
…でも、言いたいんだよ。今。
今じゃなきゃ、もう……。」
吉田からは血が止まらず流れていく。
羽織りはもはや役に立たないくらい、色が変わり血を染み込んでいた。
気づいていた。
もう、限界だとーー。
身体もだんだんと重くなり、力が入らない。
意識も少しずつ遠退いていく。
だが、そんな姿を見せない様に。
気づかれない様に。
何も知られない様に。
悲しませない様に。
この時間を無駄にしない様にーー。
更にギュッ、と抱きしめる。
吉「詩音…。君を……愛してる。」
[!!!!]
吉「これだけは、伝えたかった。」
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