1939人が本棚に入れています
本棚に追加
/1378ページ
ぎゅっ、っと抱きしめられる。
あまりの力に驚きながら、
詩音は負けじと吉田を抱きしめる。
吉「…詩音っ、…、、」
[っ、……よしだ、さっ………嫌っ、嫌!!]
詩音の首の後ろに回されていた吉田の腕が緩められると、一瞬目が合うと唇が重なる。
[っ!!?]
驚く詩音にふっ、と吉田は柔らかく笑うとズルリと力が抜け腕がそのまま落ちる。
それが何を意味しているのか、分かりたくない。
抱えていた重さもどんどん変わっていく。
離したくない。
放れたくない。
この人とまだまだ一緒にいたい。
嫌だ
嫌だ
嫌だ嫌だ
[ぃや…、いやぁああぁぁ!!!!]
悲鳴が響く。
涙が止まらない。
身体が熱い。
もう2度と、帰ってくる事は無いその人の声を
ただただ求めて、名前を呼ぶが自分の声だけが耳に残った。
吉田 稔麿 ――――――― 死亡。
最初のコメントを投稿しよう!