第48章……池田屋事件

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ぎゅっ、っと抱きしめられる。 あまりの力に驚きながら、 詩音は負けじと吉田を抱きしめる。 吉「…詩音っ、…、、」 [っ、……よしだ、さっ………嫌っ、嫌!!] 詩音の首の後ろに回されていた吉田の腕が緩められると、一瞬目が合うと唇が重なる。 [っ!!?] 驚く詩音にふっ、と吉田は柔らかく笑うとズルリと力が抜け腕がそのまま落ちる。 それが何を意味しているのか、分かりたくない。 抱えていた重さもどんどん変わっていく。 離したくない。 放れたくない。 この人とまだまだ一緒にいたい。 嫌だ 嫌だ 嫌だ嫌だ [ぃや…、いやぁああぁぁ!!!!] 悲鳴が響く。 涙が止まらない。 身体が熱い。 もう2度と、帰ってくる事は無いその人の声を ただただ求めて、名前を呼ぶが自分の声だけが耳に残った。 吉田 稔麿 ――――――― 死亡。
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