第49章……最期

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新選組 屯所 蔵 屯所内にある蔵の一つ その中には奥の方に牢があり、 脱走した隊士達の拘束や土方自ら拷問する必要がある浪士達を入れていた場所 実際に目にすることは今まで無かったが、 詩音はそこにいた。 目を閉じ、ジッと隅に座り込んでいた。 池田屋事件から数日ーーー 池田屋で拘束された腕の縄は解かれ、 手足は自由にされていた。 逃げようと思えば逃げれるのかもしれない。 だが、詩音はジッとなにも抵抗をせず、 牢の中でただ大人しく時が過ぎていくのを待った。 あれから何日経っただろうか。 食事が運ばれてもあまり食べる気にもならない為口には入れず、微かに差し込んでくる太陽や月明かりしか分からずにいた。 あの後、一体どうなったのだろうか。 桂さんとの約束が守れなかった。 [ごめ、なさ‥‥‥っ、] 掠れた声で出た謝罪の言葉 何も出来なかった自分が腹立たしくて仕方なかった
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