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「食べてないらしいですね」
声が聞こえた方へ視線を向けると、
牢屋の前に立ち詩音をジっと見つめる沖田がいた。
沖「平助がさっき来たでしょう?
また一口も手つけずにいたらしいじゃないですか。
言ってましたよ。
一体いつまで食べない気でいるつもりですか?」
[いりません。‥‥持ってくるだけ無駄になりますよ]
沖「どういうつもりですか?死ぬ気とか許しませんよ」
[好き好んで餓死なんて選びません。]
ゆっくりとしゃがみ込み、視線を詩音に合わせる。
視線が重なっても詩音の考えてる事が
沖田には分からなかった。
あんなに近くにいた存在が今は遠い。
手を伸ばせば触れられるのに、とても遠く感じる。
沖「詩音、いい加減に全て話して下さい。」
[具合…もう大丈夫なんですか?立ち歩いて]
沖「誤魔化さないで下さい。僕の事は良いんです。今は、君の話をしてるんですよ」
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