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平「聞いたか左之さん、」
原「あ?……ぁぁ、山崎から聞いた。」
平「山崎くん何て?」
原「怒ってたさ。あんな感情表に出しまくってる山崎見るの初めてだ。
……だがまぁ、しゃーねぇだろ、お前はどうなんだよ平助」
平「分かんねぇ」
原「分かんねぇって、お前なぁ」
道場内に座り込む原田と背を向ける形で寝そべる平助
稽古に使っていた木刀を手にし、胡座をかきながら平助の背にトントンと軽く当てる
平「池田屋から帰ってきて怪我の手当てされながら聞いたんだ。俺も山崎くんから。
蔵に詩音がいて入っちゃいけないって。
自分もまだ会えてないんだって、山崎くん言ってた。それでも心配いらないって。
きっと、前みたいにまた戻れる筈だって。
……でも、山崎くんも自分にそうやって言い聞かせて我慢してたんだと思う。
で、一くんから聞いたんだ。会議の結果」
原「……まだ、決まってない事だろ。」
平「でも、近藤さんと土方さんの二人が話して決まった事だろ。決定も同じだろ?」
原「考えてみろ。いくら土方さんでもそんな事しないだろ。
あの人が何だかんだ一番、アイツを可愛がってたのお前も知ってんだろ?」
平「分かってるよ!!分かってっけど、でも!!」
原「このまま、終わるはずないだろ」
ギュッと木刀を握りしめる原田
「くそっ、」っと歯を食いしばりながら蹲る平助
二人とも、気持ちの整理がつかずにいた。
夜ーー
ガチャンと重い扉が開かれた。
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