第49章……最期

9/28

1937人が本棚に入れています
本棚に追加
/1378ページ
平「聞いたか左之さん、」 原「あ?……ぁぁ、山崎から聞いた。」 平「山崎くん何て?」 原「怒ってたさ。あんな感情表に出しまくってる山崎見るの初めてだ。 ……だがまぁ、しゃーねぇだろ、お前はどうなんだよ平助」 平「分かんねぇ」 原「分かんねぇって、お前なぁ」 道場内に座り込む原田と背を向ける形で寝そべる平助 稽古に使っていた木刀を手にし、胡座をかきながら平助の背にトントンと軽く当てる 平「池田屋から帰ってきて怪我の手当てされながら聞いたんだ。俺も山崎くんから。 蔵に詩音がいて入っちゃいけないって。 自分もまだ会えてないんだって、山崎くん言ってた。それでも心配いらないって。 きっと、前みたいにまた戻れる筈だって。 ……でも、山崎くんも自分にそうやって言い聞かせて我慢してたんだと思う。 で、一くんから聞いたんだ。会議の結果」 原「……まだ、決まってない事だろ。」 平「でも、近藤さんと土方さんの二人が話して決まった事だろ。決定も同じだろ?」 原「考えてみろ。いくら土方さんでもそんな事しないだろ。 あの人が何だかんだ一番、アイツを可愛がってたのお前も知ってんだろ?」 平「分かってるよ!!分かってっけど、でも!!」 原「このまま、終わるはずないだろ」 ギュッと木刀を握りしめる原田 「くそっ、」っと歯を食いしばりながら蹲る平助 二人とも、気持ちの整理がつかずにいた。 夜ーー ガチャンと重い扉が開かれた。
/1378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1937人が本棚に入れています
本棚に追加